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休憩室(6)・・・阪神電車(1) [昔写真関西]

 『超古写真』が意外とウケたので、む~さんは、暫くは、この路線で行こうと決めました。でも、そう何時までもネタフィルムが有る訳でもありません。いずれはやって来るネタ切れの恐怖を振り払おうと、なりふりかまわず、このブログのコンセプト『1970年以降~現在の鉄道写真重点ブログ』を外れた写真を出して行きます。

 前回同様、53年も昔、1954年・昭和29年8月時点の、関西の電車で、今回は、阪神電車。

 今津に住んでいた兄の下宿にお世話になっていた私は、電車見物に出掛けるのに阪神電車をよく利用していました。今津~甲子園間は普通電車、甲子園から必ず急行の先頭車に乗る訳ですが、尼崎から大物へ、右側に阪神電車の尼崎工場があります。その取っ付きに、赤煉瓦゙構造の変電所が見える。
 この日(完全に忘れている)、阪神電車の急行を尼崎で降り、工場を目指しました。事務所で見学をお願い致しましたら、昭和20年代の最後の年ゆえ、のんびりしたもので、当時の最新の電車・・・・特急用大型車3011形を見たい、撮りたいと訳を話すと、飛びこみでやって来た高校二年生の私を、快く中に入れてくれました。おかげで、今に至るも、阪神電車は数多い関西の電鉄の中でも、特別の愛着があります。オマケに阪神タイガースまで好きになって今に至る。

 ・・・・・さて、件の3011。小型車・・・勿論釣り掛けです・・・用の建築限界を広げ大型化の第1歩を踏み出した阪神電車が、送り出した、流線型、カルダンドライブ、冷房こそ無かったのですが、MG利用の強制通風の2ドア、クロスシートカー。たしか、オールMの三連だったと思います。なんたって『梅田~三宮がノンストップ25分』!!!阪急の特急が十三、西宮北口の二駅停車で28分でしたから驚異。

 残念だったのは、私が訪問した時点で、完成はして居ましたが、定期列車の運用は無かったことでした。甲子園高校野球用臨時では使ったようですが・・・・・。それで、そばで見たい、触りたい。
 少年、む~さんの望みは叶ったのです。嗚呼、感動感激。・・・・で、どうした事でしょう、今になって振り返って見ると、置いてあった場所の制約の為か、ろくな写真がありません。でも、傍に行けただけで良かった、シアワセだった鉄道少年でありました。

(1) トラバーサに向って顔を出した3011形3041と881形906。この881形も良い電車だったですね。851、861、881と、まさに阪神の顔でありました。一部、屋根が無かったり、洗濯物が干してあったり、当時はこんな雰囲気の場所は多かったですね。

(2) (1)の部分拡大です。この3011のお顔の丁度、鼻のあたりに特急マークが付いたのですが、このなんにもついていない顔も良いものです。

(3) トラバーサの向こうに3011形の3031。屋根にはベンチレータが二個しか見えませんが、ここから採り込んだ空気を、MGにつけたファンで車内に回すと言う事らしい。雑誌TMSには冷風装置と書いてあり、私は、翌年の夏に乗るまで、冷房装置と信じていました。連結面の硝子は曲面硝子で格好よかったのです。

 架線、電線の汚いのは、どうやら800dpiでスキャンした為らしく、今後は考慮せねばなりません。

 折角、ここまで行きながら、特急車は、たったの2駒。事務所でお茶をご馳走になり、私は心の底から幸せ気分でありました。


 この旅のあと数年が経ち、好きな阪神電車のデータなど、ルースリーフノートに書きこんでいたのが残っていますが、そのトップページ・・・・表紙・・・・に、こんなイラストがあります。当時の阪神電車の沿線案内のパンフレットの表紙だったと思いますが、そっくりペン書きで、書き写しています。阪神特急に憧れて居たんでしょうね。
 ゼロックスなんて便利なものは無く、コピーと言えば、ミニコピーフィルムとか、微粒子系フィルムで接写するか、拡散転写方式コピー機でコピーしなければならない時代のお話です。貧乏バイト学生には、この手法しか有りませんでした。紙の色も、こんなに焼けちゃっています。嗚呼、50年だね・・・・。

 続きは、また明日。


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コメント 10

no

こんにちは。
この時代の写真は、いろいろな物語が溢れて来そうですねえ。
3011のモダンな姿は、今の車両には無い優美さがあって、こういう車両に乗っていた人たちは、生活が豊かだったのだろうか、などと考えてしまいます。
これに較べると、新型車両はまるでコンテナですねえ…。
アイボリーと群青色のツートーンでしょうか。
関西ですねえ。
む~さんさん手描きイラストも細かいですねえ。
コピー機任せでは絶対にない味わいが素晴らしいです。
by no (2007-06-14 18:02) 

Fuzzy

む~さんのイラスト最高!!
とても上手に写せてますね。それにメチャ細かい!!
by Fuzzy (2007-06-14 19:12) 

じろっち

阪神って、総延長がフルマラソン程度なんですよねえ?
関西の相鉄みたいな存在でしょうか。

まあ、本社のごたごたはあるものの、大阪市内をカバーしてるうえに関西人の宝である阪神タイガースを手中に収める会社なので、経営状態は相鉄より良いかな?
by じろっち (2007-06-14 22:02) 

む〜さん

■ no様: 3011は角の取れた柔らかなスタイルでした。その後でた前面貫通形の通勤車も、現在の通勤車みたいな食パンで無い優美なスタイルで好きでした。その後、角張っては来ましたが・・・・。
 『まるでコンテナ・・・・』は至言だと思います。通勤客輸送箱でしょうか・・・・。
 3011のペン書きスケッチは、モノクロで、実際の色は、その後出てきた赤胴車の赤よりも、マルーンと言った感じの色と、クリームの塗り分けだった記憶があります。初めて見たときには、良い色だなあと感心してしまいました。その後、九州の西鉄で造った特急用1000形が、この3011のそっくりさんで吃驚。
■ ファジー様: まあ、人間複写機(笑)。
■ じろっち様: 確かに大手私鉄としては阪神電車は短いですね。国道線が合ったとしても短いですね。
 タイガースだって、中小企業のイメージで、そんなチームが、あの『XXXXXX』をやっつければ、万々歳!です。
by む〜さん (2007-06-14 22:37) 

manamana

短命に終わった特急車ですね。
当時、相当の意欲作だったことがわかります。
妻面のパノラマウインドが、すごい!
それに惚れ込んだむ〜さんのイラストも、いい!
by manamana (2007-06-15 06:09) 

のり

私は、阪神電車にはほとんど縁が無く、学生時代に関西の電車を乗りまわし始めるまでは、小学生の頃に1~2度乗っただけでした。ですから、電車に関しての思い出はほとんどありません。後年には、阪神もよく乗るようになりましたが・・・
通勤車に改造された後も、この特急車は異彩を放っていました。大きな窓・Rの強い車体断面、何と言っても起動時のモーター音が独特でした。(たしか直角カルダンでしたか)
流線型の車体は、すこぶる魅力的。連結面のパノラミックウインドは、すごい!
むーさん様のイラストは、完璧です。
by のり (2007-06-15 12:35) 

む〜さん

■ manamana様: この流線型特急の後を追って、次々と大型車体・貫通形の赤胴車、青胴車が出てきました。車体の裾も含めてRが付いていて、四角い車体なのに柔らかさを感じました。
 そして、この3011形一党も、貫通形に改造されて行きました。記憶には残ってませんが、夕方の今津あたりを、試運転で走っているのを目撃したらしい事が、ノートに書いてありました。緑色っぽい紫外線遮断の硝子のことも書いてあるのですが、私は覚えていません。困った事です。(笑)
 だいたい、私は絵が下手。あくまでも人間複写機で、ひたすら模写に励んでいた様です。
■ のり様: 1954年の8月に目撃していたにもかかわらず、乗る事が出来ず、未練が残っていましたが、大学に入り、一人旅も多くなりました。1956年7月、元町から梅田に向けて、初めて乗りました。この時は来たいが大きすぎて、ちょっと不満だったらしい、メモがあります。そして、1957年8月に乗ったとき、横揺れの少ないことが、記してあります。この1957年8月が、私の881形に乗った最後のときでした。気が付いたときには、釣り掛け電車は消え、カルダンばかりになっていました。
 今、改めて、あの3011形は阪神電車の、対阪急、対国鉄急電のチャレンジ精神を形にしたものだったんだなあと思っています。
by む〜さん (2007-06-15 17:10) 

京葉帝都

3011形、写真で見ますとホントに意欲的な車両と感じました。この冷風装置とよく似たものが近鉄の修学旅行用二階建電車“あおぞら号”にもありました。
by 京葉帝都 (2007-06-15 20:03) 

む〜さん

■ 3011はホントに気合が入ってました。関西の電車の底力を見たような気がしました。
 あおぞら号もMGファンで送風していたのですね。3011の送風は私の記憶では、夏場はあまり効果がなかった様に感じました。
by む〜さん (2007-06-17 05:58) 

む〜さん

■■♪♪ まさお様:
 「nice!」 有難う御座います。
by む〜さん (2011-11-07 16:44) 

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