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新幹線1962年(2) [昔写真国鉄]

 1962年・昭和37年7月、国鉄の大事業、新幹線の鴨宮モデル線区の鴨宮基地に来ています。お天気は上々とはいえませんでしたが・・・・・・。

 新幹線1962年(2) 

 いよいよ、鴨宮~綾瀬間で試運転を開始した、モデル線区の鴨宮基地に来ました。何と言っても今から45年も昔のこと、事務所に行って入場を御願いしましたら、有難い事にOK。家内と一緒に構内を見学させていただきました。世間に物騒な人間が少なかった、のんびりした時代のお話です。


(1) B編成と言う4両編成の大阪向きの1003ですが、光前頭と呼ばれた、中に蛍光灯が入っているプラスティックのカバーが無くって、円盤で蓋がしてありました。右の車両は窓に特徴のある1004です。この編成、台車部分までカバーされています。
 こんなに傍で見ることが出来て実に嬉しかった記憶があります。従来の車両たちと比べて、『好き度』が下位になる前のお話しです。何しろ、前代未聞のプロジェクト・・・・なんてコトバも聞いたことがありませんでしたが。

(2) B編成(1)の右の方を部分伸ばししてみました・・・・・1004です。六角形の窓に特徴がありました。この形状は結局は採用されませんでしたね。

(3) 基地は東海道本線に沿っていたので、東海道本線の列車もよく見えました。111系の大目玉電車が通り過ぎます。

(4) 1003の横顔。運転室の窓の曲面硝子がなかなかのスタイル・・・量産車には残念ながら採用されませんでしたが。

(5) 屋内の窓際にひっそりと壊れた光前頭のプラスティックカバーやら、何か分からない曲がった部材が置かれていました。どう言う経緯かは分かりません。試験運転なのですから、こんな事もあるでしょう。

(6) パンタグラフが二つ並べて設置されたA編成の1002。何故かは知りません。

(7) こっちは、A編成。2両編成で、右が1002、左が1001です。塗り分けがB編成と違いますし、床下のカバーも台車部分にはありません。・・・・外してあったのかも知れないし断言は出来ないのです。

(8) B編成の屋内に入った部分。左が1005、右が1006です。

(9) 係員さんたちが、No.1003でなにやら作業中。


・・・・・一通り、ふた編成の試験車両を見て満足しました。これが、世紀の大事業、あと2年で開業するまでに、慎重に技術を積み上げてゆくわけです。
 今になって、解るのですけれど、車両、送電だけでなく、トンネル、高架、築堤など、土木部分も、問題点山積だったようで、先人のご苦労は、大変なものだったことでしょう。

 今回は、ここまででお仕舞いです。また、次回!!


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gop

これは凄い、こんな基地内の写真は始めて見ました。
この頃は簡単に入れたんですねぇ。
2個パンタは空力のため?、それともEH10で問題になった集電能力のテストでしょうか。識者の友人に聞いてみましょう。
by gop (2007-09-09 08:17) 

quatre-l

これらの写真は初めて拝見しました。
世紀の大事業の完成前夜、まさに歴史の生き証人たるむ~さんですね。驚きの一言です。
資料的にも価値ある写真じゃないでしょうか、ホームページでの公開楽しみです!
by quatre-l (2007-09-09 08:50) 

岸田法眼

これは貴重なショットですね。驚きました。

この当時は200㎞/h以上の運転は前例がなく、なにごとも初めてづくしだったようですね。
by 岸田法眼 (2007-09-09 12:02) 

のり

かつて、NHKの「プロジェクトX」や、テレビドラマで、新幹線にかける男たちのお話を見ましたが、大正時代から思い描き続けた「広軌高速鉄道」が、いま現実のものになろうとしている瞬間です。
まさに「世紀の大事業」への、息遣いが聞こえてきそうですね。素晴らしい写真です。
六角窓は、結局採用されませんでしたが、なかなか近代的で素敵だと思います。
by のり (2007-09-09 12:55) 

mymeな大家

こんにちは。
貴重な写真をありがとうございいます。昔の鉄道ファンにも載っていない写真ばかりですね。先頭部分が壊れた話と二丁パンタの話は、確か鉄道ファンに載っていたのですが、実家においてあって、記憶があいまいで書けないことが残念です。
ライト横の運行番号表示も0系でやって欲しかったです。
しかし、現代からみるととても質素な感じがします。
ところで、私も好きな順位で行けば、新幹線はそれほど高い方ではありません。問題山積みであった新幹線開発の解決のエンジニアリング要素がとても好きです。
次回が楽しみです。お待ちしています。
by mymeな大家 (2007-09-09 14:01) 

む〜さん

■ gop様: 何ていっても50年近い昔の話、妨害、盗難、等々、物騒な人たちが居なかったんですね。それでも、営業運転に向けて侵入防止の柵は出来ました。『悪い人』のために余計な出費がたくさんあった事でしょう。何時の頃からか、なんでも手を出す人が増えちゃいました。核家族化し、親がしつけを学校に任せたつもりなのが原因の一つじゃあないかと思いますね。
■ quatre-l様: まあ、皆さん、撮ってると思いますよ。ただ、多くの写真の中から本などに載せる何枚かを選ぶと、漏れちゃうんだと思います。試作車両の公式写真みたいのは、ちゃんと本に出てますし。
■ 岸田法眼様: 未体験分野の先駆者としての苦労は並大抵ではなかったことでしょう。技術者魂みたいなものを感じますね。
■ のり様: 弾丸列車の予定地が新幹線に生かされた話はよく本などにありますね。用宗~焼津間の東海道本線は日本坂トンネルは弾丸列車用に掘られたものだと聞いたことがあります。たしかにトンネルの焼津側には田圃の中を一直線に伸びた築堤がありました。(現在、在来線は旧トンネルを通っており、在来線が走っていたトンネルと築堤は新幹線が利用しています)
■ mymeな大家様: 先頭部分の壊れた話。光前頭だけでなくスカートも壊れたのかもしれません。スカートの色が違うような気がします。しかし、白黒の為、光線の具合かなあとも思われ、なんとも言えませんが、割れた光前頭の右に写っているもがスカートだとしたら如何でしょうか・・・・。
 当初は、系列称号など知りませんでしたが何時の間にか0系なんていわれてます。いまみると素朴なスタイルですが、あの異様な700などと比べると、ずっとマシだなあと、私は思っています。まあ、好みの問題ですが・・・・・。
by む〜さん (2007-09-09 14:23) 

のり

皆さん、「エイトマン」のオープニングを覚えていらっしゃいますか?
エイトマンが新幹線と併走して、追い越してゆくというシーンがあったのですが、その新幹線には「運行表示」窓が、この試験車と同じ位置に描かれていたのです。番組の放映は、昭和38年~39年。懐かしいですねぇ。
by のり (2007-09-09 15:26) 

む〜さん

■ のり様: エイトマン・・・・・テレビアニメは記憶がありません。子供も居なかったし、時間帯の関係で見れなかったのかもしれません。しかし、マガジンのコミックは記憶があります。平井和正/桑田次(二)郎でしたね。普通の人が実は・・・・というパターンは、『エイトマン』もそうですが、『スーパーマン』『怪傑黒頭巾』『月光仮面』等々、沢山ありました。私としては、戦後、アメリカンコミックで入ってきたスーパーマンと、東映映画・大友柳太郎の黒頭巾ですね。脱線しました・・・・ついつい、懐かしさで。
 のり様もよく見ておられましたね、普通なら運行番号の表示窓までは眼が届きません。感服しました。アニメーターに、鉄道ファンが居たなんて考えたら楽しくなりました。
by む〜さん (2007-09-09 16:37) 

ぽんた

うわ~すごい!!
はじめて見ました! のり様と同じく「プロジェクトX」のテーマが頭の中に流れてきましたよ、カッコイイ!
楽しみに待ってたんですよ~、モスラの幼虫♪
続きが早くみたいです~!
by ぽんた (2007-09-09 17:33) 

mymeな大家

確かにスカートがボディに近い色になっていますね。一枚目と最後の写真からすると、ボディにも少しはみ出ていて板金修理して色が塗られておらず、下地塗料であるサーフェーサーの灰色のようにも見えます。割れた先頭部のそばに写っている、ぐにゃぐにゃになった物体がスカートにも見えますね。
もしかすると関係者以外では、この写真をお持ちになっているのはむーさんだけかも知れません!
最近の新幹線は、格好いいかもしれませんが、とてもいかつく近寄りがたく見えます。
by mymeな大家 (2007-09-09 17:40) 

じろっち

ふたつ並んだパンタは、集電不良で立ち往生しないためと、何かに書いてありましたよ。

エイトマンに出てくる新幹線は、B編成みたいですね。
新幹線開業直後に登場した新幹線グッズは、B編成モノが多いみたいですよ。
開業前に作ったからかな?
by じろっち (2007-09-10 00:30) 

む〜さん

■ ぽんた様: 新幹線はいまでは普通の風景なんですが、当時は、珍しくて、素晴らしいものでありました。なんたって、夢の超特急ですからね・・・・・。
■ mymeな大家様: 0系なんて呼び名も無かったころの新幹線は、旅客機風の顔で、スマートだなあと感じました。最近の新幹線車両は、肩をいからしていたり、下顎が長かったり、で、私にはカッコ悪く見え、美しさを感じません。
■ じろっち様: 二つ並んだパンタは、なんだか狭苦しそうですね。エイトマン見て居られた方、多いんですね。
by む〜さん (2007-09-10 21:39) 

じろっち

六角形の窓はデザインとしてやったものではなく、X型の窓枠を採用したので、ああなったそうです。
安全面では良かったのかもしれないけど、やっぱり不評だったんでしょうね。

ところで、東海道新幹線開業前夜の出版物ってなぜか出てこないですね。
むーさんの写真に反応する人が多いとこ見ると、ほんとうに少ないんでしょうね。
小田原のダイナシティに「写真が有るんだけど」と話したら、貸し手ほしいと言ってくると思いますよ。
by じろっち (2008-01-01 22:47) 

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