SSブログ

琴電志度線1956年 [むかし噺(2)]

icon_mukashibanashi.gif
pen-para.gif 秋ですね~、すっかり涼しくなりました。東京エリアでは、半袖の季節も、もう終わりですね。
 親戚の家から、柿が届きました。庭で採れたのだそうで、季節の色と味です。

(1) 笊に並べて記念写真
000-111023ode.jpg

 pen-pc.gif さて、本題です。今日の話題は、高松琴平電鉄・・・琴電です。京浜急行や名古屋地下鉄、京王帝都電鉄が沢山走っている最近のお話ではなく、今を去ること55年、1956年・昭和31年7月、私は大学の一年生の夏休みでありました。
 母と四国の高知へ旅しましたが、その途中、高松で連絡船から土讃線に乗り換えるとき、時間に余裕があったので、屋島に行こうということになりました。

■■■ 琴電志度線1956年 ■■■

pen-para.gif 高松築港駅から電車に乗って琴電屋島駅に向います。途中の駅で、交換した高松築港行を見送る。

(2) この駅、駅名がわかりませんでしたが、ホームページに出したこの写真をご覧になった、地元、高松の方から、メールを頂きまして、「春日川駅」と判明しました。向こうが高松築港方面になります。
 例によって、部分拡大でご覧頂きます。
001-5607shikoku18-01.jpg

(3) (2)の高松築港行の電車部分の拡大・・・・80。Wikipediaを見たら、元・山陽の36形とありましたが、それ以上のことは判りません。
002-5607shikoku18-02.jpg

(4) 同じく(2)の右端部分の拡大懐かしい形のトイレがあります。「便所・WASH ROOM」、「手洗い器」。電灯線の引き込みもかなりアバウトで、二本が平行に敷設されていません。ひょっとすると、架線の600Vにつながって、電灯何本かを直列接続していたのかもしれません。写真(2)も参照してください。
 さて、赤と緑の矢印です。赤の矢印は流下式塩田でしょうか、そして、先の地元の方が、緑の矢印部分は、入浜式塩田だと教えて下さいました。昭和31年、丁度、両方式が入れ替わる時期だったのでしょう。

003-5607shikoku18-03.jpg

pen-para.gif ここで、脱線して、流下式塩田の写真をご覧いただきましょう。

(5) 3年後の1959年・昭和34年8月土讃線の車内から写したもので、多分、宇多津駅とか、あの辺りだと思われます。向こうの煙突や建物が製塩関係の物だったかどうかは判りません。
004-5908enden001-01.jpg

(6) 枝条架を拡大してみます。材料は竹だったようで、上から塩水を流下させる。下まで落ちる間に、濃縮され、それを繰り返したのでしょう。そして、釜で加熱~水分蒸発で、塩にするのでしょう。詳しいプロセスは判りません。入浜式に比して、上手い事を考えたもんだなあと、当時、感心した記憶があります。効率も良さそうだし、場所も食いませんし・・・。
 しかし、時代は変わって、イオン交換方式で、このシステムも古いものになり、1970年代の頭ごろには、廃止されたそうです。
005-5908enden001-02.jpg

pen-para.gif 話は戻って、1956年7月のお話の続きです。

(7) 電車を琴電屋島駅で降りた母と私は、屋島ケーブルに乗ろうと、ケーブル駅まで400m弱を歩いてゆきます。
 左端に写っている和服の女性が母・・・・当時48歳。当時は、女性の一寸したお出掛けは和服が普通でしたね。屋島の山腹にケーブルの線路が見えて居りますね。
006-5607shikoku19-01.jpg

(8) (7)の拡大・・・・ケーブルの車両が、ボケてますが写っています。
 「キリンビール」が左書き、「めし」は右書きが面白いですね。食べ物屋さんは、なんでもアリ。こういう、看板を見ていると、時代を感じて実に楽しくなりますね。
007-5607shikoku19-02.jpg

(9) (7)の右側部分の拡大・・・・旅館ですが、壁の大広告が楽しい。ネット検索して見たんですが「銘菓 三宝」、「珍菓 タヌキばやし」は簡単には見付かりませんでした。
008-5607shikoku19-03.jpg

pen-para.gif ところが、ケーブルの駅まで行って見ると、なんと、かなり待たねばならず、上まで往復すると、土讃線の汽車に乗れない・・・・ということで、断念して、高松築港へ戻る事に。

(10) 帰り道、これは、何処の駅でしょうか・・・多分、今橋駅だろうと思うのですが、クラシックな電車が休んでいました。志度線で活躍した電車たちなのでしょう。
009-5607shikoku20-01.jpg

(11) (10)の真ん中。まるで、路面電車ですが、詳しい事は分かりません。Wikipediaに拠ると、01形のNo.5らしい。
010-5607shikoku20-02.jpg

(12) (10)の左端・・・・同じく、01形のNo.6でしょうか・・・・・。
011-5607shikoku20-03.jpg

(13) (10)の右端・・・・開放式のデッキが密閉型に改造されたのでしょうか、これも01形のNo.3らしい。
012-5607shikoku20-04.jpg

coffee.gif たった二駒のネガから、画像13枚に水増ししてしまいました。ま、手抜きといえばそうかも知れませんが、こんな方式も悪くは無かろうと、やってみました。如何でしょうか・・???

 では、また次回!!!!!


nice!(9)  コメント(13)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 13

quatre-l

琴電は数年前に高松築港~琴電琴平まで乗りました。
今でも長閑な風景の中をのんびり走る好ましい電車ですが、む~さんの写真の中の世界は別格ですね。屋島方面は未乗なので今度四国へ行く機会があれば、ぜひケーブルカー含めて乗ってみたいものです。
by quatre-l (2011-10-25 08:02) 

む〜さん

■■ quatre-l様:
 私は琴電の高松~琴平間、乗っていないのです。色々な方々の写真を見ると、沿線風景も中々のようですね。亡き母のふるさとが高知なので、幾度も土讃線で琴平は通っていますが、駅手前の立体交差で期待をもって見るのですが、琴電に遭遇したことがありません。昔は、坂出~琴平~多度津間を琴参電車が走っていましたが、こっちには、国鉄の坂出駅や琴平~多度津間で電車を目撃した事があります。しかし、廃線となり、跡地も段々判然としなくなりました。
 屋島のケーブルは、残念ながら5~6年前に廃止され、いまは自動車、バス輸送になっているそうです

■■♪♪ ほりけん様:
■■♪♪ やまびこ3様:
 「nice!」 有難う御座います。
by む〜さん (2011-10-25 09:03) 

maipenrai

いつもながらに圧倒されました。
(10)の電車、凄いですね。まるでアメリカの、そう、大昔のニューオーリンズあたりを走っていそうな…。電車音痴だけに思いつきのコメントで失礼します。
by maipenrai (2011-10-25 21:51) 

Cedar

この時代の琴電にまで足を延ばされているとは、さすがです。
電車もすばらしいですが、屋島ケーブルへの道のショットがたまりません~着物姿のお母様が渋谷実監督や、島耕次監督の日本映画のワンカットのようです。
駒の拡大写真もいいですね。昔の写真を見る時にはホントにこういう風に自分でズームインしていますよね・・・
by Cedar (2011-10-25 22:05) 

manamana

しめ、一瞬何だろうと思いましたが、
そんな時代ケーブルカーが斬新な乗り物だったのでしょうね。
by manamana (2011-10-25 23:36) 

利きゅう

屋島のお写真、素晴らしいですね!
先月、志度線に乗ってきましたが日が暮れてしまっていたため屋島を見ることは出来ませんでした。

琴電屋島駅の駅舎は近代化産業遺産に認定されているそうです。Wikipedeiaの琴電屋島駅の項に駅前から屋島方面を撮影した写真があります。

01形も鉄道ピクトリアルの『私鉄車両めぐり特輯 第Ⅲ輯』によると1・2号2両が昭和38年まで残ったようで、中でも1号は琴電初の蛍光灯装備車だったそうです。
他の車両は昭和34年までに廃車になったそうなので、むーさん様は3・6・5号の最晩年の姿を撮影されたのですね。

でも、ここで疑問が・・・5号は『私鉄車両めぐり特輯 第Ⅲ輯』の記事によると3号のように密閉式に改造されているはずなのに・・・
更にJTBキャンブックス『琴電-古典電車の楽園』には密閉式タイプの車体の5号の写真が・・・。もしかして廃車直前に改番があった?今となっては確かめようもありませんね。
by 利きゅう (2011-10-25 23:54) 

micchama

8年ほど前に屋島へ行きました。
高校の修学旅行以来のことでしたので、自分で車を運転して、屋島のドライブウエイを走りました。すっかり、周囲の光景は変わってしまいましたが、屋島の上の思い出をたしかめることができました。
あの時はマダ、ケーブルカーの案内はありました。
右に曲がるとドライブウエイのトールゲート、左にゆくとケーブルカーの駅となっていたのです。
こうしてみると、あの時に乗っておいたほうがよかったと悔やまれます。
でも、船の上から見る屋島は夕暮れの中にたたずみ素晴らしかったです。
by micchama (2011-10-26 20:17) 

のり

素晴らしい写真ですね。
おやすみ中の車両群も素敵です。
5号の前から6枚目の窓が、ほかの窓と少し違って上部にアールがついていますね。その2枚後ろのものは桟がついていますし、なんとも凄い電車です。その後ろの電車が特に目立ちますが、運転台の垂下が激しく、痛々しい姿ですね。
by のり (2011-10-26 22:04) 

Money

なんか涙がでそうです。
後ろ姿…。

初めて見ました。有り難う。
by Money (2011-10-27 00:17) 

たーサン

 琴電は昭和二七年、中学校の修学旅行で乗りました。
当時はこんなのが走ってたのですね。

 しかし、それよりなにより、着物姿のお母様の後姿。
既にあれから五五年も時は経ち、、、、、

 なんか、ちょっと胸がキュンとなりました。
by たーサン (2011-10-27 15:36) 

京阪快急3000

素晴らしいお写真ばかりですね。

着物姿の亡きお母様の後姿も、素敵ですね。

若い自分から見ると、「こんな電車が走っていたんだー!!」と、驚愕の一言です。
by 京阪快急3000 (2011-10-27 20:09) 

おおや

こんにちは。
いくつになっても、母は母、子は子ですものね。
むーさんのお心も「キュン」となられているのでは
ないでしょうか。生意気言ってすみません。
流下式塩田の写真を初めて拝見しました。にがりのきいたおいしそうな塩が取れそうですね。
失礼します。

by おおや (2011-10-27 22:57) 

む〜さん

■■ maipenrai様:
 こんな電車がゾロっと居たんですから慌てて写したのでしょう。こういうタイプで路面から乗降するようになっていないのを見たのは初めてでした。
■■ Cedar様:
 あんまり写してない割りに、あまり電車に関係ない風景写真みたいなスナップが写してあったりします。そんな写真が後になって想い出をよみがえらせてくれたりします。道路もあまり整備されていませんが、旅館も、お店も、日本全国、昭和の中頃って、こんな感じでした。
 着物の女性・・・・いまでは、お茶の会とかでもないと、なかなか会えなくなりましたが、当時は、駅へ行ったら一杯歩いていました。普段でも着物を着ている方も多かったのです。
 男性の着物姿は絶滅危惧ですね。最近は出かけない所為もありますが、インヴァネスなんか、見たことがありません。
■■ manamana様:
 左右両刀使いの看板なのが面白いですね。ここのケーブルカーも自動車で上がれるように道路が整備された結果、廃止と云う事になってしまったようです。
■■ 利きゅう様:
 利きゅう様のブログに触発されてこのページを囲うと思い立ちました。琴電も古い電車を可動状態で残してくれており、ありがたいことですね。
 01形の情報、有難う御座います。昭和38年まで残っていたとは、たいしたものですね。乗ってみたかったです。専用軌道を行く4輪単車の電車・・・・甲武電車を思い出しますね。
もちろん、乗ったことはありませんけれど)
■■ micchama様:
 電車とケーブルカーでは乗り換えも大変で、ドライブウエイは便利なものですから、どうしてもお客さんをとられてしまいますね。ケーブルカーは、あの階段状のプラットホームに立ったときから、夢を感じますね。
■■ のり様:
 01形・・・・手作り風の味のある電車ですね。こんなクラシックな電車にいくらかでも回り逢えた私は、幸運だったと思って居ります。
■■ Money様:
 コメント有難う!この写真・・・撮った私が言うのも何ですが「旅」を感じます!
■■ たーサン様:
 何十年経っても、もう逢えなくなっても、父母は有り難い存在ですね。我儘も随分言いましたが、いまになって悪かったなあと思ったりします。
■■ 京阪快急3000様:
 今から見ますと、昭和30年代くらいまでは、各地で明治、大正の電車汽車に回り逢えました。
 そんな、昭和から平成・・・・に鉄道ファンとして生きられるってのも嬉しい事です。なにしろ、鉄道の進化衰退が見られるのですから・・・・・。
■■ おおや様:
 ジジイになっても、母は母、父は父ですね。いろいろと、いいDNAを貰ったのですが、生かしていない私、この歳になって反省しても遅いのですが。
 土讃線の(若しかしたら宇野線でも)車窓から、入浜式の塩田を見慣れていた私のは、流下式の製塩は驚天動地の近代的製塩法に見えました。
 私の幼い頃・・・・8歳くらいのとき、波打ち際から桶で海水を汲み、平べったい大きな鉄の四角い鍋で、煮詰めて塩を作るのを、高知県の、とある海岸で見た想い出があります。まあ、製塩法の原点みたいな方式ですね。

■■♪♪ da-kura様:
 「nice!」 有難う御座います。
by む〜さん (2011-10-28 20:34) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。