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東武22号蒸気機関車大疑問:1954年 [むかし噺(2)]

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pen-pc.gif 2009年1月11日付の拙ブログ「東武鉄道1954年(中)」で、業平橋のヤードで撮った22号蒸気機関車の写真があります。

pen-ojigi2.gif そのとき、Cedar様より頂いたコメントに、「22号ですが、前面にエアホースが付いていませんね、ひょっとして空制無しでしょうか?」と言う一節がありました。
 最近、その辺りが少々、気になって、気になって、改めてとり上げて皆様のお知恵を拝借いたしたいと思うのです。

■■■ 東武22号蒸気機関車大疑問:1954年 ■■

pen-para.gif 昭和30年代前半くらいまで、東武の貨物列車といえば、蒸気機関車と相場が決まっていました。

(1) 昭和33年5月 東武東上線大和町駅を通過する下り貨物列車。機関車は1898年のピーコック、No.3。大和町駅・・・・畑の真っ只中の駅ですが、1970年・昭和45年に、和光市駅と改名されています。
 まあ、ともかく、当時の東武の貨物列車の牽引機関車は蒸気機関車が思い浮かびます。(電気機関車も居ましたけれど)
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pen-para.gif ・・・・で、これが、問題の東武鉄道22号機。撮影は1954年・昭和29年8月。場所は業平橋のヤード。
 東武鉄道D-1として、1913年、米国ボールドウィン社から輸入した2Bタイプで、ここでは米国式に4-4-0。

(2) ご覧の通り、煙室扉、ドーム、シリンダ、ボイラー・・・・・如何にも米国タイプって感じの機関車。
 少なくとも、こっちサイドには、空気関係の機器は見当たりません。
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(3) 1976年版、機芸出版社の「私鉄電車プロファイル」を見ると、東武鉄道のトップページに、木造客車を牽引するイラストが出て居ります。前後には、ブレーキ用の配管が描かれ、その配管の形は如何にも真空ブレーキを思わせます。シルエットで描かれたキャブの床下には、真空ブレーキのシリンダーらしきものが見えます。
 丁度、この写真のキャブの22の文字の下辺りだったようです。
 発電機がランボード上に乗っています。
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(4) (3)は暗くって良く分からないので、明るさをアップしてみました。ブレーキ関係のバーみたいなものが見えるような気もします。手ブレーキ用なのでしょうか・・・・・。
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(5) 動輪の辺りをアップしました。丁度、燃えきった石炭殻を抜いている場面のようです。
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(6) 煙室、シリンダー、エンドビーム辺りを拡大。ブレーキホースは見えません。
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pen-para.gif 22号機を前から見てみましょう。

(7) 如何にも米国タイプで、他の英国製の蒸気機関車群とは違った顔になって居ます。
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(8) エンドビームの部分を拡大しました。空気関係のホースとかはありません。機関士さんでしょうか・・・・注油中ですね。
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pen-ojigi2.gif 反対側のサイドビュー写真を撮って置けばよかったのですが、この二駒しかありません。それ故、空気関係のパーツの存在が否定できないのです。
 まさか、手ブレーキで運転されていたとは思えませんが、業平橋での入れ替え専用と仮定すれば、「手ブレーキと機関士の運転テクニック」で、用が足りたのかもしれません。それに、東武には、空気制動のついていない、車側の手(脚?)ブレーキしかない貨車が沢山見られました。

pen-para.gif 撮影時期は違いますが、貨物列車を少々・・・・・・。何れの機関車も先頭部のエンドビームに空気制動のエアホースが見えて居ります。

(9) 1959年・昭和34年4月: 北千住駅で・・・・。No.61は、国鉄6250で、1897年Neilson社製。
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(10) 1958年・昭和33年10月: 下板橋駅で・・・・。No.40は1898年のシャープ・スチュアート社製。現在、埼玉県宮代町の町役場傍に静態保存されています。(東武動物公園駅から徒歩)
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pen-ojigi2.gifpen-ojigi2.gif お願い pen-ojigi2.gifpen-ojigi2.gif
 このブログをご覧の方で、22号蒸気機関車のブレーキ関係をご存知の方は、どのようになっていたのか、是非、お教えくださいますようお願い致します。

coffee_doutor.gif では、今回はこれで・・・・・・。


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manamana

空気ブレーキが無い??
真相は一体。
by manamana (2012-02-03 22:38) 

む〜さん

■■ manamana様:
 機関車の向こう側を撮っていれば、有無の確信が持てるのですが、なにしろ16歳の鉄道趣味ビギナーで、そのうえフィルムも節約節約。いまさら悔やんでも・・・・ですが。

■■♪♪ ほりけん様:
 「nice!」 有難う御座います。
by む〜さん (2012-02-04 12:44) 

利きゅう

鉄道ピクトリアルのバックナンバー1961年2月号の東武特集に昭和30年撮影の25号機の写真が載っていて、25号機には連結器の所にホースがあります。

古書で入手した「東武の鉄道車両90年の歩み写真集」に戦前の姿と昭和26年業平橋で貨車の入換え中と思われる22号機サイドビューの写真が載っています。
辛うじて貨車との連結部が見えるのですがエアホースのシルエットは見えません。貨車と繋げて無くてもホースのシルエットは見えると思うのでやはり22号機は空気ブレーキを装備していなかったのではないでしょうか?

東武のボールドウィンは総勢6両、少数勢力の上振動が激しく燃費も英国型と比べて良くなかったという記述があります。
戦後は入換え用ということで昭和33年に最後に廃車になった25号以外は空気ブレーキを装備していなかったのでは・・・というのが私の推論ですが、22号と25号の廃車が1年しか違わないのでチョッと苦しいですね。

因みに、廃車が・・・20,21号が1949年・23,24号が1950年・22号が1957年、25号が1958年だそうです。
by 利きゅう (2012-02-04 13:53) 

maipenrai

うわぁ……(絶句)…。
 東武のボールドウィン、話には聞いていましたが…凄い!
 東武の蒸機は、お別れ運転に辛うじて間に合った世代です。同じ2Bテンダなのに、ピーコックやシャープスチュワートとはまるで別物ですね。優雅な英国機も好きでしたが、ワイルドな米国機も素晴らしいです。この22号機のいた場所が、いまをときめくスカイツリー…、まったく想像もつきませんね。
by maipenrai (2012-02-04 17:36) 

む〜さん

■■ 利きゅう様:
 東武22号機の情報、有難う御座います。1913年製造として廃車まで約40年頑張ってくれたんですね。
 蒸気機関車の動かし方というか、停め方なんですが、ブレーキ以外に、加減弁と逆転機で、止められるような話を聞いたような、聞かなかったような・・・・・。入換機だと突放が必須でしょうから、なにか手ブレーキ以外の方法があると思うんですが。
 因みに、私のHPのこのページの上の方の3両の貨車、『+マーク付き』の空気ブレーキ無しです。
http://11.pro.tok2.com/~mu3rail/link15a.html
■■ maipenrai様:
 東武の蒸気機関車・・・・お終いの頃は沿線にカメラを持った方が並び、大人気でしたが、この20~25号、寂しき消えて行ったのでしょう。
 この貨物ヤードにスカイツリーが建っちゃったんですから、世の中、分からないものですね。

■■♪♪ しまりす様:
 「nice!」 有難う御座います。
by む〜さん (2012-02-05 09:49) 

ひもブレーキ

推測でお話して申し訳ありませんが、空気ブレーキは付いてなく蒸気ブレーキのみが装備されていたのでしょう。入換え専用と割り切れば問題ありませんし。
>加減弁と逆転機で、止められるような話を聞いたような、
いわゆる逆リバーというやりかたですが、空転または滑走してしまい制動効果は良くありません。
上武鉄道で使っていた蒸気機関車も機関車本体に作用する蒸気ブレーキのみで空気ブレーキを持っていないことを確認しています。その内西武鉄道3号機はエアーホースがついているのですが、なんと機関車の前後を繋いでいるだけのもの何のためか不思議であります。事物は交通短期大学に保存されています。
by ひもブレーキ (2012-02-05 21:34) 

ひもブレーキ

追伸。
空気ブレーキを装備した場合には砂撒きも空気作用式にするのが一般的です。東武鉄道でも他の機関車はそのようになっているのに、22号機は自然落下式のままであるのは空気ブレーキが装備されていないためでしょう。
それにしても、1954年はまだ私は1歳。貴重な写真をありがとうございます。
by ひもブレーキ (2012-02-05 21:47) 

む〜さん

■■ ひもブレーキ様:
 22号機の制動装置に関して御考察、コメント、有難う御座います。成る程、蒸気ブレーキってのがありますね。
 上武鉄道・・・・1959年、日本ニッケル鉄道時代の8号機の写真が、私のHPに出してありますが、これが該当の機関車でしょうか?
http://11.pro.tok2.com/~mu3rail/link140.html
 私よりも16もお若いとは羨ましいですね。私が、この22号機を撮ったのは、高校生時代でしたから、遠い話になりました。
by む〜さん (2012-02-06 21:33) 

ひもブレーキ

日本ニッケル8号機が交通短期大学に保存されている機関車です。む〜さん様のHPにある写真でも、機関車の前後をつないでいるだけの空気ブレーキの管を確認出来ます。
by ひもブレーキ (2012-02-06 23:06) 

む〜さん

■■ ひもブレーキ様:
 日本ニッケルの8号機は1891年の製造だそうですから、121年後の現在も、静態保存されている訳ですね。写真をよく見ると、車体側面に前後を結んだ配管が見えますね。成る程!
by む〜さん (2012-02-06 23:33) 

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