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腕木式信号機のある風景(下) [古いアルバムから]

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pen-pc.gif 腕木式信号機の続編です。前回は東武に国鉄の信号機だったんですが、今回は「所謂、軽便鉄道」で見かけた腕木式信号機を、私のホームページから拾ってきました。もちろん、ネガデータからブログ用に作り直したものです。

 最近ではナローゲージと言う呼び方が一般的みたいですが、私にはケイベンという呼び名が、なんだかしっくり来ます。勿論、軽便鉄道とは軽便鉄道法に準拠して建設・運用されて居る鉄道の事なんで、ゲージは、何ミリだって良いわけなんですが・・・・・。
 信号機も、駅から離れたところに建てられたのは少なく、場内信号機といってもホームの上に、上り用、下り用が一本の柱に取り付けられているのが、よく見られました。

■■■ 腕木式信号機のある風景(下) ■■■

pen-para.gif まずは、信号機のある風景。

(1) 遠州鉄道奥山線の気賀口駅の奥山側の場内信号機です。地形やカーブの関係でしょうか、珍しく、駅から一寸だけですが離れた場所にありました。シャッターを押すタイミングが一寸早かった・・・・・。(昭和33年4月撮影)
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(2) 井笠鉄道の北川駅駅舎越しに信号機の羽根が見えています。(昭和34年7月撮影)
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(3) 静岡鉄道駿遠線・上吉田駅。信号機の操作は、柱の根もとにあるハンドルを動かすようになって居ます。(昭和33年4月撮影)
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(4) 静岡鉄道駿遠線・地頭方駅(昭和34年3月撮影)
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(5) (4)の信号機を拡大してみましょう。
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(6) 静岡鉄道駿遠線・須々木駅(昭和34年3月撮影)
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pen-para.gif ケイベンの信号機の例として、詳しく見てみましょう。まずは、静岡鉄道駿遠線・袋井駅。昭和35年3月撮影。

(7) 場内信号機の操作用梃子。ただいま、「進行」表示中。
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(8) てこの場所から眺めた場内信号機。羽根が降りています。
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(9) 信号機の真下まで行って見上げてみました。バックは国鉄の信号線の電柱で、凄い数の信号線です。
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(10) 羽根と色ガラス、光源の位置関係。
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(11) 信号機の根元です。ワイヤに引っ張られて、錘が上がっています。「進行」表示中。「上巻」でご覧に入れた国鉄形のメカから見ると、構造が何と無くヤワです。
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(12) 彼方に袋井駅が見えています。静岡鉄道駿遠線の本線は右の家の向こう側を右方向に伸びて居ます。
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pen-para.gif こんどは、同じ静岡鉄道駿遠線・上新田駅の信号機です。大井川駅から先は既に廃止され、新藤枝から大井川までの6km強になってしまった駿遠線。
 この上新田駅、列車交換も無くなり、信号機はバッテンを付けられて機能はして居りませんでした。撮影は昭和43年7月。

(13) ホーム上に立てられた信号機。すでに、機能はしておらず寂しい風景でした。
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(14) 下から見上げる。
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(15) 拡大してみましょう。上り下りの色ガラスの中央に、光源装置が一つある構造です。
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(16) 操作用のレバー。やけにシンプルな構造です。
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coffee.gif ただ、芸も無くずらずらと写真を並べただけで、ご容赦下さい。こういう、あまり立派でない信号機たちが、鉄道の職員さんたちとともに、お客さんの安全を守っておりました。

 ・・・・・・では、また次回!!!!!


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水雷艇

東京で生まれ育ったため、軽便鉄道というのは、あまり実感がなく、それこそ宮沢賢治の世界でしか意識していませんでしたが、色々な画像や映像を拝見すると、可愛い感じがとってもいいですね☆

あ、そういえば今朝、1月30日(水)午前9時頃、品川駅で東海道線社内から、山手線外回りホームに止まっている全身グリーンの車両を見ることが出来ました!
品川だから、ちょっと遠いのと、すぐに京浜東北が入ってきて隠してしまったのですが、なかなかいいですね。形は全然違うけど、何となく懐かしい感じがしました♪
by 水雷艇 (2013-01-30 10:39) 

たーサン

むーさん様

 お久しぶりです。
 腕木式信号機、、、今回は軽便鉄道のそれですね。

 しかし、まあ、なんというか、車両以外の周辺の設備等にも、かくも、あちこちと目を向けては撮影されているのには参りました。
 その好奇心と撮影意欲にはほとほと感嘆いたします。

 実に貴重な記録ですね。
 
by たーサン (2013-01-30 20:11) 

湯山洋三

写真8の場内信号とだるま式転轍機が連動装置で連結されている様にみえますがどうでしょうか。何か明治時代に引き戻されたムードに包まれていますね。貴重な写真を見せて頂いて感謝感激です。
by 湯山洋三 (2013-01-31 12:48) 

たらこっち

上新田駅の信号の写真は初めて見たような気がします。
む~さんさまのHPの駿遠線関係の写真はよく見ているつもりだったのですが見落としてましたか。

by たらこっち (2013-01-31 22:49) 

京阪快急3000

「腕木式信号機のある風景」、楽しませていただきました。

今回は「軽便鉄道で見かけた腕木式信号機」という内容ですが、今では見る事のできない、貴重なものばかりだと思いました。

ありがとうございました。
by 京阪快急3000 (2013-02-01 07:17) 

伊豆之国

都会育ちの私にとって、うらぶれたローカル線の代名詞のような腕木式信号機は物心付いたときからもう縁遠い存在になっていて、旅先でも見た記憶がほとんど残っていないようです。信号切り替えの梃子とそれを扱う小屋や、タブレット交換は結構見ているのですが。
駿遠線は、一度は乗ってみたかったローカル線だったのですが、私が初めて御前崎方面に行ったときには、既に消えた後でした。井笠鉄道は、鉄道廃線後もバス会社として存続していたのですが、最近倒産したとのニュースがあり、バス事業も停止に追い込まれ、記念館も「担保」に入ったとのことで、先行きが不安です。「紀州のタマデン」再建で名を上げた岡電が引き取ってくれればよいのですが。
by 伊豆之国 (2013-02-01 22:41) 

む〜さん

■■ 水雷艇様:
 東京近辺のケイベンというと、先ず思い当たるのは西武の山口線で762mm軌間のバッテリー機関車が客車を牽いていましたし、千葉県東金の九十九里鉄道は単端式の気動車。ちょっと遠くなると草軽、日本硫黄、静鉄駿遠線、遠鉄奥山と昭和30年代には山のようにありました。が、40年代に入ると、どんどん廃止されてゆきまして、いまでは一番近いのが三重県の桑名と四日市・・・でも日帰り圏ですから、是非ともお出掛け下さい。
 全身草色のE231、見られるとはラッキーでしたね。きっと良いことありますよ!
■■ たーサン様:
 ご無沙汰致して居ります。お元気なようで安堵いたしました。
 実を言いますとケイベンはあんまり撮影に行った鉄道は無いのです。しかし、なんとなく頼りなく優しい感じが好きで、静鉄駿遠線なんか、通いましたね~。華奢な車両、細いレール、そんな環境を、従業員の気迫で乗り切っていた感があります。静鉄なんか、ディーゼルカーやディーゼル機関車を製造していました。
 私、昔から、ヘンナモノが好きで、よく写したりしていました。オリンパスペンを買ってから、重症になったようです(笑)。
■■ 湯山洋三様:
 コメント有難う御座います。お元気でいらっしゃいますでしょうか? 今後も書き込んでくださると嬉しいです。
 静鉄駿遠線は東海道本線の列車から、見られる唯一のケイベンでした。私が長に頃、袋井駅で、ちっちゃな蒸気機関車がお客さん満載の客車を牽いて停まっていたのをみた記憶があるのです。
 ご指摘のポイントは、スプリングポイントですが、信号機とは連動になっていないようです。ネガを拡大してみましたが、よく分かりませんが・・・・・。
 1957年に訪問した井笠鉄道で連動装置を見たことがあります。判りづらい写真ですが、下のリンクからご覧下さい。
http://11.pro.tok2.com/~mu3rail/link26-igasa5708.html
■■ たらこっち様:
 上新田の写真集は小型画像ですが、『1968年の駿遠線旅行記』の中ほどにリンクがあって、そこにあります。
http://11.pro.tok2.com/~mu3rail/link2351.html
 今、見直してみると、ちょっと目立ちませんね。
■■ 京阪快急3000様:
 ナローゲージ鉄道は少なくなり、昨日ニュースでやっていた『ニホンウナギ』ではありませんが、絶滅危惧鉄道ですね。関西からですと、近鉄特急でひとっ走り!四日市の近鉄、桑名で三岐鉄道の二つのナロー線があります。フェースブックで見ていると、近鉄の四日市の八王子線は、なにやら危ない事になりつつあるような気がします。休日の一日、是非、両鉄道をご覧になられることをお勧めいたします。
■■ 伊豆之国様:
 昭和50年ごろまでは「単線なら腕木式」でしたが、通票閉塞方式は、次々と単線自動閉塞・色灯式に変わって行きましたね。
 井笠のバス部門倒産はショックでありました。まさか、バス部門が・・・・と吃驚でした。
 岡山周辺のケイベンは、「西大寺鉄道」、「下津井電鉄」、「井笠鉄道」に乗ることが出来ましたが、「赤穂鉄道」、「鞆鉄道」は間に合いませんでした。ただ、赤穂、鞆両鉄道が廃止されたとき、何両かの気動車が静岡鉄道駿遠線にやって来て、それを見ることが出来ました。

■■♪♪ tochi様:
■■♪♪ Cedar様:
■■♪♪ ソニックマイヅル様:
 「nice!」 有難う御座います。
by む〜さん (2013-02-02 18:00) 

Ryo

風景といい機構を写した写真といい視点が素敵です。お撮りになった時はちょっとした興味だったのでしょうが、こうして見せていただくときちんとした記念誌でも見ているかのようで目を引かれます。
余談ながら、先日ある記事でロシアの鉄道ではまだ腕木式信号機が使われているらしきことが書いてありました。
by Ryo (2013-02-02 20:58) 

む〜さん

■■ Ryo様:
 お褒めに預かって恐縮です。目の前のものを何と無く写してきた私ですので、一本通った思想があるわけではないのです。たまたま、写って居たと言うところです。
 腕木式信号機は、鉄道のご本家、英国では現役の様子で、先だって、グーグルのストリートビューで英国の観光地、ブラックプールを眺めていましたら、駅のホームの端っこに腕木式信号機があるではありませんか!路面電車も変な形のがあるようで、行ってみたい都市のひとつです。
by む〜さん (2013-02-02 21:42) 

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