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東武鉄道1954年(下・終) [昔写真関東]

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pencil-blue.gif 一回飛びましたが、
1954年・昭和29年8月東武鉄道のお話の続きです。三回連載の最終話で、今回は「貨車特集」で、お話を一旦、竹ノ塚駅に戻します。

 東武鉄道1954年(下・終) 

pencil-blue.gifお話は竹ノ塚駅に戻って、長物車チサ104の再録です。

(1) 竹ノ塚駅のチサ104・・・・レールを積み込んでいるのか、降ろしているのか良く判りませんが、まあ、そんな作業中。
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pencil-blue.gif 西新井で電車を写した後、業平橋に向かう途中、鐘ヶ淵駅でワフを写しています。模型化を目論んでいたようです。

(2) 可愛いワフ301形の307。羽目板がだいぶ歪んでいるのが、光線の具合で目立っています。
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pencil-blue.gif さらに電車は浅草方面に向かう。窓から、業平橋のヤードが見えてきました。

(3) 真ん中に写った、小さな直方体の貨車。今回の最大の目的、タ1形タンク貨車居ました居ました!会えました!
 これは、ゼッタイに業平橋駅で降りなければなりません!!
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(4) 業平橋の貨物ヤードに来ました。模型化を前提で資料として撮っているようです。国鉄の貨車の写真は一枚も撮っていません。これは、トフ801形の805。右側の小さな無蓋車はト782です。
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(5) さあ、これが問題のタンク貨車、タ1形の8です。東京都民製造の有機肥料を消費地に供給する目的で作られたタンク車で、木造です。中味が中味なので「突放禁止」も頷けます。端梁にバッファの穴があるところを見ると、古い貨車の改造なのでしょう。
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(6) ワ401形有蓋車403、小さく可愛い貨車で、模型にして列車に組み込みたい感じです。
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icon-tsuika.gif コメント頂きました松葉スポークの車輪ですが、拡大画像を追加いたしました。なかなか優雅なものですね。気持ちの余裕があった時代の生んだ形でしょう。
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(7) ずらりと並んだ「ワ」の群れ。まさに、壮観。
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(8) (7)のワ313をアップにしてみました。この細い板を縦に並べた造りが堪りません。こういう貨車って大好きで。
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(9) ト331形の341。整備完了が『29年8月』ペイントも真新しい新車状態・・・・ひょっとして、新車??
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 業平橋での撮影はこれで終わっています。


pencil-blue.gif 今回は貨車は並べましたが貨物列車の写真がありませんでした。替わりにと言ってはなんですが、5年ほど後になりますけれど、1959年・昭和34年4月、北千住駅で写した上りの貨物列車

(10) 無蓋車をずらりと牽いて61号蒸気機関車の勇姿。業平橋にあるコンクリート工場への砂利輸送かもしれません。61号は英国ネルソン(Neilson・・・・ニールスンとでも読むのでしょうか)の、元・国鉄6250形だそうで、いや、もう実にカッコ良い!こんなのが、日常的に貨物列車を牽いて活躍した居たんです。良い時代に生きられたなあと、つくづく思いますね。
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coffee.gif ・・・・・と、言うところで今日はお終いです。では、また次回!!


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鈴木光太郎

今晩は
(5)のタンク車関連ですが、西武鉄道系ブログに先日コメントを投稿してみました。
http://41-31.at.webry.info/200810/article_1.html
よろしかったらご覧下さい。
by 鈴木光太郎 (2009-01-16 01:00) 

京葉帝都

今晩は。
木造貨車や背の低いワ車や煙突の長いSLが電車に混じって走行していたことを想像すると、むーさんが撮影された当時でもかなりのタイムスリップ感があったのではないかと思います。バッファー時代からの貨車や木造貨車は自社線内で大切に使われてきたのでしょう。

by 京葉帝都 (2009-01-16 01:48) 

manamana

西武農業鉄道で有名なあの貨車ですか?
写真では初めて見ました。
それにしても個性的な車両が集大成しています。
貨車だと、特にさよなら行事も無く、
いつの間にか引退して居なくなってしまうので、
気がつくと、コンテナと石油とたまにワム80000を
見かけるだけになってしまいました。
by manamana (2009-01-16 06:35) 

デトニ2300

 写真のような貨物列車がネルソンやピーコックのテンダに牽かれて田圃の中を走っている姿を想像するだけで楽しいですね。たしかに模型の田園レイアウトの中を走らせてみたい欲求に駆られます。残念ながら私の能力では蒸気に挑戦するのは難しいですが、以前TMSにペーパーで蒸気をつくっておられた方の記事を読んだことがありますが、ペーパーなら何とかなるかもしれません。
by デトニ2300 (2009-01-16 09:14) 

ズルツァー・マン50

こんにちは。感動モノです。以前、西武池袋線の長江を調べたことがあり、あの類のタンク車のことは存じておりましたが、このようなきれいなお写真で拝見できるとは、感動モノです!
木造の有蓋車も良いですね。尾小屋や西大寺の車両で見たことはあるのですが、いずれも実質的には使われていなかったり、保存車だったり… (む~さん様の西大寺も感動でした!)
素晴らしいお写真を次々と拝見させていただき、ありがとうございました。

by ズルツァー・マン50 (2009-01-16 12:39) 

ファジー

伝説のタ1・・・はじめて見ました。国鉄の水運車に似ているなあと感じました。
しかし、近づいても臭ってこないんでしょうか?
by ファジー (2009-01-16 13:31) 

ファジー

またワ403は、松葉スポークを履いてますね。実に美しい!
by ファジー (2009-01-16 17:18) 

mymeな大家

こんにちは。
いやー、むーさんの写真は、すばらしいです。
明治時代に製造された機関車の現役姿をごらんになっていたんですね。どんなドラフト音を響かせていたのでしょうか。
録音はされていませんでしょうか。
うらやましいです。
では、失礼します。
by mymeな大家 (2009-01-16 22:30) 

のりさん

噂には聞いたことがありましたが、有機肥料用の貨車のお写真を拝見し、本当にあったんだとうなずいてしまいました。
その他の写真も、すごいですね。南海も貨物輸送が盛んだったようですが、やはり軌間が、国鉄と同一だったためでしょうね。
明治時代の蒸気機関車の、現役時代をご存知なのですから、やはりすごいですね。明治村の12号機なら乗ったことありますが・・
by のりさん (2009-01-16 23:10) 

べる

タ1、このような貨車をはじめて知りました。
素直な疑問なのですが嗅覚に感じるものはあったのでしょうか?
by べる (2009-01-16 23:19) 

む〜さん

■ 鈴木光太郎様: お教え下さったブログ、見てみました。西武の『特殊タンカー』は写真だけで実物は見たことがありません。東武のタ1形とはかなり形が違いますね。私の家の『ブツ』は牛さんの牽引する4輪車に木製の桶を並べて回収に来ていました。消費者が直接回収に来ていたのです。昭和20年頃ってこんな感じでしたね。
■ 京葉帝都様: 私の生活域は東急沿線でした。高校時代くらいまでは、行動範囲が狭く、初めて乗った東武は、違う宇宙って感じでした。蒸気機関車は、東京近辺では国鉄か東武しかありませんでしたから、もう、これは感動でした。
東武や西部に多かった、こんな小型の貨車は、模型化への意欲をそそってくれました。(結局、大して作りませんでしたが)
■ manamana様: そうですね、あの種のタンク車ですね。西武と東武ではだいぶ形が違うようです。この頃には、使われることも少なかったようで、牛田駅あたり、京成の土手下の東武の側線に、かなり傷んだこの種の貨車が並んでいた記憶もあります。
貨物輸送の形態も時代とともに大きく変わり、あの雑多な貨車を連ねた貨物列車も、次第に記憶が薄れていって居ります。
■ デトニ2300様: 真鍮の素材を加工して模型化するなんて、私には至難の業で、最初から投げていました。専ら、電車気動車貨車をペーパー(日本橋の紙屋さん『はいばら』でマニラボールを買っていました)で作っておりました。
■ ズルツァー・マン50様: そうですね、こんな貨車たちとナマでお付き合いできたんですから、シアワセでしたね。私鉄での蒸気機関車の活躍の時期にはちょっと遅く、東武くらいでしたが・・・・。明治大正昭和の鉄道車両に会えたんですから、いい時期にめぐり合わせたものだと思っています。
■ ファジー様: こんなアングルで写したんですから、もちろん傍まで行ったわけですが、そんなに匂った記憶がありません。大して匂わないなあという、記憶もあるのです。ひょっとして、中味が入ってなかったのかもしれません。(笑)。
 ワ403の松葉スポーク車輪は、拡大画像を、本文中に挿入しました。技術者が楽しんで図面を引いてる様子が見えるようです。
■ mymeな大家様: 昭和29年ですから、当然、テープレコーダーは我が家には無かったんです。アカイの900というモノラルテレコ(オープンリール)を兄が買ったのが、昭和34~5年でした。これが、重い100V専用機でして、1km以上離れた東横線脇の友人宅まで、担いでゆきましたら、二度とやりたくないと思うほど辛かったです。東横線の電車の録音をしたかったのです、そんなテープもなくなりました。
■ のりさん様: こんな貨車が実際にあったんです。信じられないでしょう?南海は、『南海タイプ』という、凸形の電気機関車が居ましたね。汐見橋~岸里玉出間を乗ったら、貨物全盛時代を偲ばせるヤード跡らしきものが残っておりましたが、はたして、そうだったかどうかは判りません。
早く生まれたお陰で、戦時中の辛さも、怖さも、明治の機関車の現役時代も見ているわけです。それは、良いのですが、あっちの世界にお先に行かなければならない訳で、喜んでばかりも居られませんね(笑)。
■ べる様: 珍車と言って良いでしょうね。匂いの件ですが、私はあまり感じなかったようです。あの液体が、中で揺れ、混ざり、しぶきも飛ぶことでしょうから、『匂いが無い筈はありません』ね。10数量が機関車に牽かれて、踏み切りを通過したら如何だったのでしょうか・・・・・。
by む〜さん (2009-01-16 23:54) 

じろっち

この写真を見ていると、戦後の鉄道はたった20年くらいのあいだに戦時中の遅れを一気に取り戻していったことが分かりますね。
今回の撮影の10年後には新幹線が登場する・・・

当時の鉄道事業者でさえ、日本の鉄道が200km/h以上のスピードで営業運転を行うことは想像できなかったでしょう。

有機肥料車の臭いは想像が出来ますよ。
今から30年くらい前の話ですが、神奈川県寒川浄水場(元相模線川寒川駅)のそばに、巨大な有機肥料の山が作られていましたから。

田舎の香水と言われていましたねえ。
by じろっち (2009-01-17 05:34) 

ナツパパ

これが「タ」ですか、初めて拝見しました。
高校生のころ西武新宿線沿線の学校に通っていたのですが、
そこかの駅に貯蓄枡の遺構が残っていましたっけ。

ところでネルソンって右側に運転席がついていませんでしたか?
そんな話を聞いたものですから。
by ナツパパ (2009-01-17 11:10) 

鈴木光太郎

明治の機関車は輸入時点で右運転席の写真が多いですね。(右側に逆転用棒が写ってるので)
ネルソンじゃなくてピーコックですが、東京都大田区萩中公園保存の東武機も右運転席です。
http://home.a00.itscom.net/yosan/jyoki/tobu/tobu.html
http://home.a00.itscom.net/yosan/jyoki/tobu/tobu02.jpg
↑は萩中公園保存機が現役の頃の写真です。
by 鈴木光太郎 (2009-01-17 23:53) 

む〜さん

■ じろっち様: そうですね、10年後には新幹線開業でした。ピーコックやネルソンの引く貨物列車、アレを積載するタンク貨車、あっと驚く大進化ですね。鉄道雑誌(趣味誌はピクトリアルとTMSくらい・・・・)には毎号、新機軸のメカが紹介され、鉄道の発展進歩が驚くほどの速度で進行していたのです。凄い事でした。
『田舎の香水』か・・・・コドモ時代によく使った語句ですね。懐かしいなあ、ガキの時代を思い出します。『田舎のぼた餅』なんてコトバもありました。判りますか?(笑)
■ ナツパパ様: 残念なことに西武のこの種の貨車と施設を見たことが無いのです。惜しいことでした。私は意外とあちこち歩き回ることが少なかったのです。これは、オーディオとか、旅行の趣味を持っていた所為もあります。限られた、小遣い、バイトの収入を分散させるので、ろくなハードウエアも買えませんでした。安物ばっかりで・・・・・。
鈴木光太郎様もコメントくださいましたが、右側に機関士が位置するのは多かったようですね。埼玉県宮代町町役場に静態保存してある東武の40号機は、シャープスチュアート製ですが、これも右側でした。
■ 鈴木光太郎様: 英国製蒸気機関車の右側運転台の情報、有難う御座います。同じ左側通行の国なのに、日本が反対側ってのは何故なのでしょうね。萩中公園の保存機は健在なのでしょうか?あそこを訪れて、もう10年以上になります。
■ nice!御礼 ■: manamana様、hankyu8200様、ナツパパ様: nice! 有難う御座居ました。何時も御覧下さり、感謝です。
by む〜さん (2009-01-18 10:22) 

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